奥石神社(おいそじんじゃ)
滋賀県蒲生郡安土町東老蘇1615

「老蘇の森由来
 古来老蘇の森一帯は、蒲生野と讃えられ老蘇武佐平田市辺の四ケ村からなる大森林があった。
今尚近隣に野神さんとして祀れる大杉が老蘇の森の樹齢に等しいところからもすでに想像さ
れるが、現在は奥石神社の鎮守の森として其の名を留むるのみで面積は六十反歩を有し、
松・杉・桧等が生いしげってゐる。
 奥石神社本紀によれば、昔此の地一体は、地裂け水湧いて人住めず、七代孝霊天皇の御宇
石辺大連翁等住人がこの地裂けるを止めんとして神助を仰ぎ多くの松・杉・桧の苗を植えし
ところ不思議なる哉忽ちのうちに大森林になったと云われている。
 この大連翁は弱い百数十才を数えて尚矍鑠と壮者を凌ぐ程であったので、人呼んで『老蘇』
と云ひこの森を老蘇の森と唱えはじめたとある。
 又大連はこの事を悦び社檀を築いたのが奥石神社の始めと伝えられている。
古歌に
東路の思出にせん
郭公老蘇の杜の
夜半のゝ聲」