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九頭龍神社 平成14(2002)年6月16日に訪問
  メモ書き

 芦ノ湖では、毎年7月31日に湖水祭が行われます。


 湖水祭は天平宝字元年(757)万巻上人が調伏し、湖の主・龍神として鎮斎されたのに始る。
 湖水祭は箱根神社の例祭の前日宵宮祭として行われる。
 神前に御供神酒を献じ祝詞を奏し神楽を舞い、御供を唐櫃に納め行列を整え湖畔に向う。
 岸辺で三艘の小船に乗換え漕ぎ出す。
 湖上の大鳥居前からは宮司が唯一人一艘のみが湖心に向い一社伝来の特殊神事を行う。


 上の説明文は九頭龍神社の由緒書きです。


 平成14(2002)年6月16日、私達は、箱根神社と九頭龍神社を参拝し、芦ノ湖の湖畔にあるという九頭龍神社の本宮を訪ねるべく地図を頼りに車で近くまで行きました。

 そして、車を降りて地図に従って歩みだしたのですが、陸地からだと私有地を通らなくてはならないため、本宮へは行けませんでした。

 私達は、緑の茂みで鬱蒼とした芦ノ湖畔についている小道を後戻りし始めました。


 芦ノ湖を眺めると、私達の到着を待ってか、九頭龍が浮いています。


 九頭龍の両目からは血の涙がいっぱい流れています。

 自分の犯した罪の大きさを詫びているかのようにも見えます。


 どういう理由で芦ノ湖畔に九頭龍が祭られているか、事情は定かでありませんが、長野県の戸隠神社本社に祀られている九頭龍神社の由来は知っています。


大己貴命 一姫お娶る 一姫とは宗像3女神の長女・竹子姫のこと
子の島津大人 三つ姫祭る 三つ姫とは宗像3女神の竹子姫・湍子姫・田奈子姫のこと
外が浜 厭(いと)う安潟 青森市に善知鳥(うとう)神社がある。善知鳥(うとう)は青森市の鳥に指定されている。母鳥が「うとう」と呼ぶと、子鳥は「やすかた」と答える。猟師が母鳥の声をまねて子鳥を呼び出し捕える、と母鳥は空にあって血の涙を流したという。
神の御食 食む厭(うと)うあり
九頭の 大蛇が食めば 青森市に善知鳥(うとう)神社の周辺に八岐大蛇の姉である九頭龍が潜んでいた。
島津大人 羽々矢斬り振れば 島津大人とは宗像3女神の長女・竹子姫の子。
逃げ至り 越の洞穴 青森市の善知鳥(うとう)神社周辺から九頭龍は逃げ出し、能生白山神社(新潟県能生町)周辺に至り、関山神社(新潟県妙高市関山)を通り、戸隠に逃げ延びた。この由縁により、戸隠神社ガ九頭龍ので、関山神社が九頭龍ので、能生白山神社が九頭龍の尻尾であるといわれるようになった。
掘り抜けて 信濃に出れば
これお告ぐ 伊勢の戸隠命
馳せ帰り 「汝は恐る
これ如何」 答えて「昔
二人大蛇 姫に生れて 持子が姉で、速子が妹。八岐大蛇は、早子と生まれて、宗像三女神(竹子姫・湍子姫・田奈子姫)を生み、九頭龍は姉の持子と生れて、穂日尊を生む。
君召せば 持子は御子生み 九頭龍の持子が生んだのは穂日尊。天之菩卑能命、天菩比神とも記載される。島根県松江市の神魂神社で神上がられた。
 九頭龍は自分の犯した罪の中でも、子の穂日尊を案じたのだ。
 これは青森市の善知鳥(うとう)の伝承から読み取れるかもしれない。
 母鳥が「うとう」と呼ぶと、子鳥は「やすかた」と答える。猟師が母鳥の声をまねて子鳥を呼び出し捕える、と母鳥は空にあって血の涙を流したという。
典侍となる 早子は姫生み 宗像三女神(竹子姫・湍子姫・田奈子姫)は八岐大蛇の化身であった早子の罪を祓うべく、日本各地を周った。その名残が、日本各地に残る弁財天社である。
内局 内瀬織津姫が
御后に なるお持子が
殺さんと 妬めば早子は
君お強い 弟君請えど
顕はれて ともに流浪ふ
赤土命が 女お弟君に
因むおば 早子が大蛇に
噛み殺す 弟足名椎命が
女お請ゑば 七姫までは
噛み食らふ 時に素戔嗚尊 八岐大蛇の化身であった早子は素戔嗚尊に退治された。
 今から
160万年前のことだ。
これお斬り 身お安潟と
祭るゆえ また大山祗命の
娘と生まれ 妹お妬む
罪の鳥 また持子大蛇
瀬織津姫お 噛まん噛まんと
百五十万穂 蝦夷白竜の 九頭龍は150万年もの間、瀬織津姫を噛み殺そうと、蝦夷白竜の岳に潜んでいた。
 八岐大蛇が退治されたのは今から160万年前の出来事だから、九頭龍が戸隠の宮に留まったのは、今から
10万年前の出来事だろう。
岳に待つ 今神となる
空しさよ」 戸隠命曰く
「汝今 日三の炎お 九頭龍の化身であった持子は、戸隠命に諭される。
断つべしぞ わが御食食みて 「汝持子よ、日に三度の炎の苦しみを断つべきであるぞ。わが神饌を食み、戸隠宮に慎み居れ。わが身の善悪を知り、善を守ればやがて罪は消えうせるであろう。また人と生れることもできようぞ。大蛇の緒を切るべし」
下におれ 祥禍身お守れば
罪消えて また人なるぞ
緒お切れば 万のヲタウの
山ぞハコザキ」


 戸隠神社本社の九頭龍神社には、戸隠命の祈りが込められています。

 それは、九頭龍が罪を償って再び人として転生できるように、という祈りです。

 祭られている祭神や土地の性質からいって、芦ノ湖の九頭龍も戸隠の九頭龍神社と同じ性質のものでしょう。


 九頭龍はそれぞれの時代に調伏せられ、現在に到っています。


 平成14(2002)年6月16日、私達は芦ノ湖を訪ね、九頭龍が両目から血の涙を流すのをみて状況を悟り、九頭龍の縁故を訊ねました。


 平成14(2002)年8月17日に九頭龍の頭に相当するといわれている長野県の戸隠神社(とがくしじんじゃ)。
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 平成15(2003)年1月4日、トラックの自損事故のため、治療するために約三年という時があきました。
 右足の自由がある程度きくようになってから、また急いで周りました。
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 平成17(2005)年9月3日に九頭龍の尻尾相当するといわれている新潟県能生町の白山神社。
 平成17(2005)年9月4日に九頭龍の胴に相当するといわれている新潟県妙高市の関山神社。 
 平成17(2005)年9月23日に青森市の善知鳥神社(うとうじんじゃ)。



 九頭龍も神の許しを得て、再び人としての転生を許されているかもしれません。


 しかし、九頭龍が人として転生した人物(おそらく女性です)の人生は、何をどのように悔い改めればいいのかを探るために相当の期間があてられるでしょう。

 150万年もの長きにわたって、天之忍穂耳尊の母である瀬織津姫神を怨み、そして妬み続けたのです。

 (※)ちなみに天忍穂耳命は、芦ノ湖を眺めることのできる神山で神上がられています。


 人としての転生が許されれば、九頭龍になってしまうほど犯した罪をわずか50年や100年の人の一生の中で償えるのです。

 ここに日本人特有の使命があります。


 日本人においては、書き換え可能な記憶をもつ人物は極めて少数です。

 それは、ここが日本だからです。


 こういう成り立ちがわかれば、日本人の苦悩の原因の一端がご理解できるでしょう。


 日本人の成育史のなかで、100万年前や1000万年前、億年単位前の神世の克服されるべき記憶が想起されてくるんですね。


 (参考までに)
 福井県に九頭竜川・九頭竜湖があります。
 

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